ネットを通じて知り合った人と実際に対面で会ったのは、高校一年生の頃だった。さる超一流私立中学に通う人と繋がり、夏休みにX68000というパソコンを片手に持ち、彼の家に遊びに行ったのがきっかけ。その後、20人規模のオフ会に行ったが、彼がいたお陰でハブができて、スムーズにいろんな人とコミュニケーションすることができた。
その後、いろんなオフ会やIT系イベントに行ってみて、楽しいオフ会、次の日が寂しくなるオフ会、疲れてしまって不満が残るオフ会などを知ることになる。何故かなぁ?と考えているうちに、参加人数による距離感と、そこで生まれるコミュニケーションの質が影響しているのではないかと思った。
この話は、完全にただの主観でしかないので、まず僕のペルソナ、オフ会へのスタンスを書いておく。
個人的オフ会感
僕は、その場が黙ってしまう空気が苦手だ。多分これは親の遺伝だと思っているが、間を埋めるべく、ついついしゃべってしまう。しかし、そんなに面白いことを言えるわけでもないので、僕が頑張ってしまう場は、あんまりよくない場だと思っている。
何より僕が疲れる。
もっとコミュ力の高い人が、その場を引っ張っててくれる場は気楽で良い。
できれば参加者1人1人と仲良く慣れれば理想だが、そのために席を移動したりと頑張るのは面倒臭いタイプ。
こんな感じの価値観をベースに、人数規模別の印象を書いていく。
2人のオフ会
サシオフは、もう相手との関係性につきる。仲良くなっていれば気を使う必要もないから気楽だ。agendaがはっきりしていればよい。一緒に買物に行くようなオフであれば、どちらかがどちらかのお手伝いをしてる関係は自然だし、知り合った人の家に行って泊まるのも、寝るだけだから問題ない。
逆に、いきなり相手との相性を探るような2人オフはすごく疲れる。対面のフリートークで時間を埋めるために、常に何かを探しているのは後からとても疲れる。そうならないという安心感を相手に抱ける状態になるまで、もう少し頭数を揃えた方がいい。
3〜4人のオフ会
ファミレスや居酒屋の座席は、原則4人がけが一つの単位となる。
この4人単位のセグメントが、どう安定するか?不安定になるか?がコミュニケーションの濃度に与える影響が大きい。
3人のオフ会は、一つの理想型だ。4人席に対して、1つ空いている不安定な状態、全員が参加しなくては場が成り立ちにくいし、もし話があわないネタの時は、2人にしゃべらせておけば良い。不安定な状態だからこそ、そこそこ空気を読めるメンバーが揃っていれば、相互に配慮しあう。
4人も悪くないが、3:1になることができるので、ぼっち体質の人だと置いて行かれる可能性がある。
でも相互に声が届く範囲が近いので、本人が顔をそむけなければ十分に参加してる感を楽しめる。
5人、6人のオフ会
3:2に別れたり、3:3に分かれることがある。3人が安定しているなら、3:3も安定しているかと思いきや、気が付くと、4:2になっていたり、5:1になってしまうこともある。2:2:1になってしまったら、完全ぼっちが生まれ始めるのがこのぐらいの人数。
これぐらいの人数になってくると、隣の人の背中が邪魔で、向こうの話が聞こえないという状態ができてくる。逆を向いた時にコミュニケーションできる人数が少ないので、少し融通が効かない状態が生まれやすいとも言える。
7人のオフ会
7人は、安定と不安定が共存する単位だと思う。個人的にはバランスが取れた状態と思っている。4:3に分かれるなら、それぞれがそれなりに成り立つし、5:2の場合は、2人の方が密なコミュニケーションをしているケースではないかと思うし、状況1つでまとまったりと、分裂と集合を柔軟に行える。
肝はグループ全体の距離と声の大きい場のリーダーの配置。
場のリーダーは、真ん中に座ることが望ましい。3:4という少し不安定な状態が、リーダー1+残り3:3という形で、一体感を生み出したいフォーメーションだとも言え、中人数規模のオフ会としては、1つの理想型ではないかと考える。
8人以上のオフ会
ここら辺から完全にセグメントが分かれてきて、一度もしゃべらない人が生まれてくる。ものすごい狭い席だとコミュニケーションの質は高いが疲れるし、4:4に分かれてしまうともう2つのオフ会みたいになってしまい、少なくとも場の一体感は失われる。
この辺からオフ会の感じはぼっち対策としての場の配置は仕切りがあってもいいのかもしれない。
これ以上のオフ会は、もう完全に距離が近い人セグメント単位のオフ会だ。何かのネタに対して人が集まって、あとはみなさんでどうぞモードになる。ビンゴとかやりたくなるのが、この規模感。
運営グループと、新参者とが別れやすくなるので、新参者が内輪感に打ちのめされる始める。幹事団は、新参者をどうシャッフルさせるかに悩みつつ、自分たちも好きに楽しみたいんだよと言う主張も出て来やすくなる。結局のところ、各自のスキルに任せられることになって弱肉強食化が進む。
30人以上の立食オフ会
この辺まで来ると名刺交換しても誰が誰がわからなくなってる状態に突入する。
個別の輪がそれなりにできてるので、入り込むのに頑張らなくてはいけないし、かなり面倒くさい。
その割には、何故か遠慮してコミュニケーションの密度が極端に下がる。お互い数分しゃべって、次の方どうぞモードになるのが嫌い。キャバクラかっ。
みんなぼっち感あるので、親しい人とくっつきがち。そうなるともう最悪。仮想的なスモールコミュニティが1つの空間に沢山ある感じ。
目当ての人がいて、この人とだけ名刺交換できればもう満足、というターゲットがいない限り、個人的にはあまり行きたくない方。
ぼっち力が高い人には全くオススメできないです。
以上の主観から、一番、参加者同士の密度が高くなりつつ、お気楽感がある3〜7人がオフ会にはベストではないかと思う。しかし、7人というのはあくまでも少人数。立食パーティと比べると、出会いのスケーラビリティは低い。
立食パーティで、最低限の関係性だけ作ったり、Facebookなどを通じて関係性がしっかり繋がっているなら、また出会うチャンスもあるだろうから、そこに期待して割り切るのも手だが、場そのものに一体感のある継続的なコミュニティも減っているような気はしますが、自分が見えてないだけですかね。
Σ(`∀´ノ)
昔、オフ会で一番頑張ったのが、僕がいつもアクセスしてたパソコン通信ネットワークのオフ会。50人ぐらいの規模だったんですが、そこでは全ての座席を回って、そこのネットワークでの有名人の人と少し近づくことができた。あれは明確に自分でも名前を知ってもらおうと思って頑張った。そういう時期もあって良いと思います。
後から考えると、完全にパソコン通信という同好の士だったわけなので、パソコンがコモディティ化した今よりも、ただそこにいるだけで特殊な価値観を共有している集団だったんだよな。最近、オッサンになってしまったので、そういう輪が自分の目の前にないので、寂しい限り。ニコニコでオフパコみたいな話題を見ると羨ましいなぁと思う自分がいます(オフパコが羨ましいわけではなくw)
あえて言えば、WebSigが自分にとって残されたコミュニティですかね。インターネット大好き集団という感じの。しかしインターネット自体もコモディティ化しているので、うまく意識していかないといけない感じ。
そもそもオフ会って言葉が死語のような気もするわけで。Facebookで会うのはオフ会とは言わない気がするし。それこそがパソコンやインターネットがあたりまえのものになった結果だと思いますね。つまりオンラインでの出会いもあたりまえになってるってことですよね。
謝辞
なお、うすうす気がついている人もいるかもしれませんが、完全に僕のスタンスは受け身です。
家庭を持って、そこそこ安定した状態を作ってしまったが故に、何もしないことに逃げ道があって問題意識を持っていない状態だとも言えます。
だからお誘いいただけるのは大変歓迎でございます m(__)m
お誘いいただいている方は、いつもありがとうございます。